スロージョギングが脳に与える影響

 

スロージョギングを実践している人たちの多くが、あまりくよくよと悩まなくなったとか、些細なことで怒らなくなったとか、判断するスピードが早くなったなどと、精神的な面でも健康的になったとよく話しています。そして、そうなった原因は、単に気分が変わったからという訳ではないことが解かってきたのです。

 

アメリカにおける研究で、高齢者が軽いジョギングを続けた場合には、その人の萎縮していた脳の一部が大きくなることが解ったのです。実際に大きくなったのは、判断力や決断力に関系している「前帯状皮質」という部分と、ワーキングメモリに関係している「46野」と呼ばれている部分です。

 

つまり、ジョギングによって精神面が向上したように思えるのは、単に気分が良くなったからというのではなく、脳の機能そのものが向上したからであるといえるのです。日本の研究においても、ジョギングをすることで脳の「前頭前野」の活動が活発になることが解明されています。

 

ジョギングの効果が肉体的な面だけではなく、精神的な面にも影響を及ぼすというのは、何だか不思議な感じもしますが、そもそも脳も人間の身体を形成する器官のひとつであることを考えれば、運動することでその機能が高められても何ら不思議ではないのかも知れません。健全な精神は健全な肉体に宿ると昔からよく云われていますが、まさにそれを象徴するような実例であると思われます。